急なお葬式の知らせを受けて、久しぶりに喪服をクローゼットから出しました。
「大丈夫、前に着たから…」と思いながら袖を通したのに、背中のファスナーが途中で止まってしまったんです。
息を止めても、お腹をへこませても、あと数センチが上がらない。鏡の前で固まってしまいました。
その日は結局、手持ちの黒でなんとか整えて出かけましたが、心の中はずっと落ち着きませんでした。
同じように困る方はきっといるはず。
この記事では、あの日の私がやった「その場の対処」と、次に慌てないための「見直し」をまとめました。
喪服が入らない日を乗り切った「とりあえずの整え方」
まず大切なのは、無理をしないことでした。
きつい喪服を頑張って着ようとするより、落ち着いた黒で整えたほうが、心も体も楽になります。
家にある黒で、上下をそろえる
私が最初にやったのは、とにかく「黒でまとめる」ことです。
喪服が着られないなら、黒カーディガンに黒スカート、または濃い色の無地ワンピースで寄せます。
ポイントは、柄が目立つものや、ツヤが強い素材を避けること。
式場や斎場の照明は意外と正直で、光って見える生地は目立ちやすいです。
「いかにも代用品」にならないようにするコツは、上下の黒のトーンをできるだけ近づけることでした。
黒でも微妙に色が違うと、そこだけ浮いて見えることがあります。
鏡の前で一度、全身を遠目で見てみると安心です。
小物は「黒・控えめ」で統一
服よりも効いたのが、小物でした。
黒ストッキング、歩きやすい黒い靴、控えめな黒バッグ。
幸いサイズは関係なくありません。
これだけ揃うと、全体がちゃんと落ち着きます。
もし迷ったら「金具が目立たないもの」「ロゴが大きくないもの」を選ぶと間違いが少ないです。
ストッキングは、できれば予備もあると安心です。
移動中に伝線してしまうと、気持ちがさらに落ちます。
小さなことですが、当日の心の余裕につながりました。
当日の“やりすぎ”を避けるコツ
急いでいる日は、つい色々足したくなります。
でも、喪の場では「控えめ」がいちばん整って見えます。
香りは弱め(できれば無し)、アクセサリーは小ぶりのパール系か、何もつけない選択でも十分。
髪はすっきりまとめるだけで、全体の印象が静かになります。
ちなみに、私は指輪も入りませんでした…。
サイズ直ししておかなくてはと思いました。
帰ってから思ったこと「次は同じ思いをしたくない」
あの日いちばん辛かったのは、喪服が着られなかったことよりも、焦りで心が落ち着かなかったことでした。
だからこそ、次の自分のために、できる範囲で整えておくのが大事だと感じました。
体型は変わっていい。責めないのが一番
還暦を過ぎると、体型が変わるのは当たり前です。
昔の喪服がきつくなったからといって、恥ずかしいことではありません。
それでも「なんでこうなったんだろう」と自分を責めたくなるのが、困ったところです。
でも、喪服は“思い出の服”ではなく、“必要な時に着る道具”なんですよね。
今の自分に合うものに整えたほうが、気持ちがずっと楽になります。
一式をまとめておくと、心が落ち着く
喪服が必要になるのは、たいてい急な時です。
そんな時に、あれこれ探していると焦りが増えます。
だから私は、喪服と黒小物をひとまとめにして置くことにしました。
黒ストッキング(予備)、黒い靴、控えめな黒バッグ、黒ハンカチ、袱紗や数珠も一緒にしました。
買い替えるなら、私が重視した3つのこと
買い替えると決めると、次は「何を基準に選ぶか」で迷います。
私はあれこれ考えすぎないように、ポイントを3つに絞りました。
ポイント①:一人で着替えやすい「前で閉められるタイプ」
若い頃は気にならなかったのに、年齢を重ねると「着替えやすさ」が本当に大事になります。
背中のファスナーは、肩が上がりにくい日や、手が回りにくい日には意外と大変です。
前で閉められるタイプなら、支度がスムーズです。
焦っている時でも、一人で着られるだけで気持ちが落ち着きます。
ポイント②:白っぽく見えにくい「落ち着いた黒」を選ぶ
ネットで買う時に不安なのが、黒の見え方でした。
写真は明るく見えることがあるので、説明文を読むようにします。
私が見るのは「深い黒」「反射を抑える」「濃い黒」といった表現です。
黒が落ち着いて見えると、全身がきれいにまとまります。
ここは値段よりも、安心感が優先だと感じました。
ポイント③:お腹まわりが楽な“ゆとりのある作り”
全体を大きくするよりも、気になるところが楽な作りを選ぶほうが、見た目がきれいに整います。
商品によっては「お腹まわりゆったり」や、体型に合わせた作り方の表記があるので、そこを見ました。
着心地が楽だと、姿勢まで自然になります。
結局、見た目の落ち着きにもつながります。
ネットでの買い替えは“比べられる仕組み”が助かる
店舗に行く時間が取れない時は、ネット購入が便利です。
でも失敗したくないので、私は「比べられる仕組み」を頼りました。
自宅で試せるサービスを使う
形違いや、着心地の違いを自宅で見られるサービスがあると安心です。
店員さんの前で慌てて決めなくていいので、落ち着いて判断できます。
注文前に確認するのは、返送の期限とルールだけ。これさえ押さえておけば、焦らず選べます。
鏡の前で見るポイントを固定する
あれこれ見始めると迷います。
だから私は、見るポイントを3つだけにしました。
この3つです。
自然光の入る場所で一度見ると、黒の見え方も判断しやすいです。
慌てず、静かに選ぶのが一番です。
「買わない」もあり:レンタルという選択
喪服は頻繁に着るものではありません。
だから「買う」以外の選択も、現実的だと思います。
レンタルが向いている人
次にいつ必要になるかわからない方や、保管が心配な方にはレンタルが合います。
その時の体に合うものを選べるのも、気持ちが楽になるポイントです。
レンタルで気をつけたいこと
ただ、急な通夜など「今夜必要」という時には間に合わないことがあります。
使うなら、受け取り日と返却方法を事前に確認するのが大切です。
黒小物は手元に揃えておくと、レンタルでも当日対応しやすくなります。
まとめ:慌てないために、できることだけ整える
喪服がきつくて焦った日は、誰にでも起こりえます。
だからこそ、無理をせず、落ち着いた黒で整える方法を知っておくと安心です。
そして次の自分のために、喪服と黒小物をまとめておくだけでも心が軽くなります。
急なお知らせの時に、少しでも落ち着いて故人を送れるように。
できるところから、静かに整えていきましょう。
